高校生物教員のブログ

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公立高校で生物を担当する教員のブログ。ICT教育、探究学習に興味。「より良い学びの形とは」を問い続けています。

東邦大学「高校教員対象 理科教室」に参加してみた

1学期の怒涛の様な忙しさを言い訳に長いこと更新をサボっておりました。

しかし、アウトプットをしていくことでインプットの質も上がるというもの!

夏休みですが、自分の研修の機会も持たねばと、東邦大学理学部で開催された高校教員向け研修に参加して来ました。その報告をまとめたいと思います。

(参加者は15名ほどでしたが、東北地区からの参加は私一人。これまでの参加者の中で最北端だそうで。大学が主催するこういう高校教員向けの理科の実験研修は、実はあんまり東北圏内にはなく、結構貴重なんですよね…。)

テーマは「葉の形の多様性」 。講師は生物学科の下野綾子先生です。

まずは、大学構内の様々な樹木から葉を採取。葉から樹種を特定する方法も学びました。

その後、採取した葉をスキャナで取り込み、画像処理ソフト「ImageJ」で解析。

葉の形には、どのような環境応答が現れているのかについて考察しました。

↑この図鑑、学校で買ってもらおう。

顧問をしている科学部の研究で陽葉と陰葉の比較に取り組んでいるところで、個人的にはかなりタイムリーな内容でした。また、ImageJは生物研究においてかなりメジャーなソフトなのですが、これまで使った経験が無かったので、この機会に使い方を知ることができました。

(このImageJ、本当に画像データ処理に関しては自由度が高いソフトだなと感じました。今回は葉の形の解析でしたが、本当に何にでも応用できる。これから指導する3年生のAO入試の発表データにも使えそう…。)

こういったデータ解析も、実験の中に少しずつ取り入れていきたいです。


後半は、イチジク属のイヌビワを教材にした、絶対送粉共生について。

(このイヌビワ、残念ながら東北地方には分布してないんですよね…。実物を教材として使えないのが残念!!)

イチジクは漢字で無花果と書きますが、これは花が無いのではなく、実(正確には花のう)の内側に花を咲かせるのだということ。

なぜそれで受粉ができるのかというと、花粉を運んできた雌のイヌビワコバチ(送粉者)が花のうの中に入り込んで受粉をするから。しかもその時に、花のうの中の子房に産卵をするのです。オスはそのまま一生を花のうの中で過ごし、雌と交配したらそのまま死んでしまうのだということ。

そのため、イヌビワの実を観察すると、中からコバチが出てくるのです!これは知らなかった!! 実際に構内に生えているイヌビワの実を実体顕微鏡で観察すると、ハチをたくさん見つけることができました!

参考

※日本のイチジクは単為結果のためハチは入っていないとのこと。安心してね!

生徒と一緒に「東大へ行こう」企画

いよいよ新元号発表が迫ってきました。

平成生まれの私にとって、初めて経験する新しい時代に。

新しい年度も、生徒と一緒に成長し続けていきたいと思います。

東大へ行こう。

年度末に、希望生徒30名程を連れて東京大学本郷キャンパスにお出かけしてきました。

震災以降、福島県の高校生への教育支援をして下さっている東京大学の松井彰彦教授。異動後もご縁が続いている教員が学年におり、そのおかげで、松井ゼミの皆さんとの交流をさせて頂けることになりました。

なるべく押し付けでなく、「興味ある子は行ってみない?」というゆるい誘いに乗って集まった生徒たち。

ノートテイク&グループワーク「東大生のノートは本当に美しいのか?」

組んでいただいたプログラムの内容は、「東大生のノートは本当に美しいのか?」というもの。

① 松井先生の講義「経済学とは?」を生徒が東大生と一緒に受け、ノートをとる。

② それぞれが取ったノートをお互いに見せ合って、工夫してある点を評価し合う。

というワークショップです。

キミ、そんないいノート取るの??

このワークショップ、生徒を連れてくるのは2回目なのですが、ほんとにイイんです。

私の主観では、生徒にとっては以下のような機会になったのではないかと思います。

・東大生が身近な存在として感じられる。(手の届かない程遠い存在ではなく、当たり前のことをしっかりやっている人)

・生徒が自分自身のノートを見直し、「自分がどう工夫してノートを取っているか」を言語化することでメタ認知につながる。

・「良いノート」はひとそれぞれ種類があることに気付く。後から見返して復習するためのノートと、書きながら頭の中を整理するためのノート。

教員側としては、意外な生徒が「キミ、そんな良いノート取るの?」と思わせてきたり。やっぱり、普段は見えていないことがたくさんあります。

生徒諸君には、今回の学びを新年度いいスタートを切るのにつなげてもらえれば何よりです。

「大哺乳類展2」に生徒と行ってきた

先日、科学部の生徒たちを引率して国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展2」に行ってきました。

もはや完全に顧問の趣味に付き合わせて生徒たちには申し訳ないですが、そもそも部活顧問そのものが半分趣味のようなものなので笑

(もちろん活動に際して監督責任は生じるのですが、全部仕事と捉えると時間的には全く割に合いません。生徒にも、「これは僕の趣味」と伝えています。)

結果としては、生徒も私も非常に楽しみながら、科学とエンターテイメントを両立させたこうした企画展のあり方を学ぶいい機会になりました。

教員間で、教科ごとの授業の特性について話すと、 「理科は実物に頼れていいな(ズルイな)」 という話題になることがしばしばあります。

たしかにそう思う面もあります。

一方で、気をつけなければいけないな、と感じていることは、「そこに甘えてはいけないな」ということ。

やはり実物に触れる機会は生徒にとっては物珍しくて、感動や気づきに繋がりやすいのですが、 それだけでは「楽しかった」とか「面白かった」だけで終わってしまいがちなんですよね。

『単なる「体験」から「学び」に昇華させるにはどうしたらいいか?』

が大事なのかな、と思うのです。

何のための文書?指導要録(しかも手書き)に思う

やっと書き終わりました、要録

大変久しぶりの更新になっているのは、ここしばらく指導要録につきっきりになっていたせいです。

本日、自分のクラス分がやっと書き終わりました…。

年度末の、ただでさえ多忙なこの時期を、さらに憂鬱にさせる書類の一つ。

先週には年間の最後の授業も終わり、「うまくいった試み」「うまくいかなかった試み」も全部振り返って来年度につなげられれば、と思い、そんなブログの記事を書こうと思っていたところだったのですが、要録作成に時間を取られ。なにぶん時間が無さ過ぎます。

(この時期、Twitterで「要録」と検索すると、全国の先生方の悲痛な声がたくさん…)

「授業の準備に当てる時間がない」

本来、この時期一番大事にしたいことはやはり、一年間の授業を生徒や同僚の先生方とともに振り返り、反省し、新しい年度の授業を計画・準備することではないかと思います。

ところが、この時期の要録記入の作業によって、そうした時間が奪われています。

これは一体「誰のための」「何のための」書類なのかがわからない

そもそも指導要録は誰の、何のための書類なのでしょうか。

学校法規上の位置づけとしては、以下の通り。

「指導要録は,児童生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し,その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿である(文部科学省通知)」 www.mext.go.jp

① その後の指導に役に立つのか?

指導要録に書かれた文言がその後の指導に役に立った例を私は知りません。

生徒の実態を調べたいと思って、指導要録を見てみよう!とはならないですよね。

残念なことに、私が書いた文章が誰かにちゃんと読まれたことはないです(文章のミスがないか確認はされますが)。

② 外部に対する証明として役に立つのか?

基本的に、生徒の進学先には「調査書」が証明として送られることになります(こっちについても様々な意見がありますが)。要録が役に立つことはまず無いです。

また、生徒の転学などに際しても、指導上参考になる情報は、転学元と転学先の教員間で話したほうがよっぽど多くのものを得られるのではないでしょうか。

※「生徒の役に立つのか?」については、すでにさまざまな議論がなされています。

senoom.hateblo.jp

senoom.hateblo.jp

今年度こそは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」にしない

なお、指導要録の電子化は、すでに法律では認められています。

しかし、勤務校ではそれすらまず行われていないのが現状。(全部手書き!)

思うに、要録は毎年取り組む時期が「年度末」「年度初め」と決まっているので、その時期が過ぎたら「電子化しよう!」の議論にならないんですよね。

しかも、教員の異動時期と重なり、担当者が変わって建設的な議論に結びつかないんです。担任も、すぐに新学期の準備に移りたいですしね。

しかし、今年度こそは(調査書の様式変更にあわせて)、電子化への移行を現実のものにしてもらうよう、声を大にして言っていくつもりです。

ぶらりとサイエンスカフェに参加して来たら非常に良かった

昨日、3年生の卒業式が行われました。

毎年、変わったことをするわけでもないのですが、何度経験しても本当にいいものです。

今年度の3年生は、1年次に授業を持たせて頂いていたので、「3年間で生徒ってこうも成長するものなんだなあ」ということを改めて実感しました。

サイエンスカフェ」に参加してきました。

今日は、郡山で開催された「グラスルーツサイエンスカフェ in Fukushima」に参加してきました。

www.kokuchpro.com

仙台のメディアテークなどでは東北大学主催のサイエンスカフェが定期的に行われていますが、福島県でこういったイベントは珍しいのではないでしょうか?(自分が知らなかっただけかもですが)

主催者の方が勤務校の同僚の先生とお知り合いということで、このイベントを紹介して頂いたのです。(ほんとは生徒も連れて行きたかったのですが…。)

それと実は、講演者の松田雄馬先生の著作が、先日とある1年生の現代文の模試で評論に使われていたんですよね。

また、人工知能研究から科学・生命を捉えなおす」というテーマも、生物教員にとっては興味を唆られるものでした。

そんなこんなで、非常に楽しみにして参加してきました。

そう言えば人工知能って何者なのかちゃんと知らない…

今年度はICT教材の活用を考える中で、AIと教育の未来について考える機会が多くありました。AIを活用したアダプティブラーニングも既にあちこちで始まっています。

そういえば、生徒にも先日学年集会で、AIと仕事の未来の話をしたばっかりです。

にも関わらず、そういえば「人工知能」って何なのか、説明できるか?と言われると…。

できないなー。

AIがやっていることは「迷路を解く」こと

今日の講師、松田先生が会の最初で断言されていたのは、

「AIは人間を支配しません」「完全自動化された社会は実現しません」 ということ。

先生曰く、「自動運転、画像認証、アルファ碁など、AIがやっていることはすべて『迷路を解く』こと」なのだそうです。つまり、与えられた課題を解くだけで、人間が意思を持って動かさない限り何もできない、ということだそう。しかし、世の中ではそう思われていないのが現状。

また、「自動化」の裏では、そのための膨大なデータを準備するために人知れず働く人がいるのも現状で、それこそ機械のように働く人々の犠牲によって成り立っているのだそう。

人間の幸せのために生み出されたはずの科学技術が、逆に人間を苦しめているのでは?という構図は、3.11の原発事故とも重なる部分かな、と感じました。

また、「AIに負けないために創造力を鍛えなくてはいけない」という考えも誤り!とのこと。

このあたりが「生命とは何か?」という問題と関わってくるということなのですが、これについては先生の著作「人工知能はなぜ椅子に座れないのか」をもう少しよく読んで、先生の考え方をよく理解してからもう一度まとめたいと思います。

www.shinchosha.co.jp

(実は、毎年度の生物の授業の第一回目は「生物とは?」で始めているのですが、今日の先生のお話は、これまでの私の中には全く無かった視点でした。)

「えんたくん」を使ってのブレインストーミング

講演の内容もさることながら、今日のサイエンスカフェで楽しかったのは、他の参加者の方とのグループワーク。「えんたくん」というツールを今日初めて知りました。

www.kyobun.co.jp

これね、すごく良かったです。椅子に座って輪になり、直径1mくらいの円形段ボールをひざの上に置いて、さらにその上に紙を置いて感想や意見を書き出していったのですが、初めてお話しする方とも程よい距離感や一体感が生まれました。不思議な感覚。

来年度の探究活動の中で使えないかなあ、これ。

犬も歩けば棒に当たる

軽い興味で参加した会でしたが、結果として非常に有意義な時間となりました。

今回お話させて頂いた松田先生には、「是非とも学校に来て高校生にお話を!」とのお願いにも、快諾を頂きました。 (松田先生、本当にありがとうございます!)

来年度、外部講師をお招きしての『学問入門講座』を企画する予定なので、必ずやそこで実現させたいところ。

今後もこんなふうに、ちょっとずつ視野を広げていく経験をして、それを生徒に還元していきたいものです。

デジタル教材勉強会 ~勤務校の外に研修の場を広げることについて

またまた久々の投稿です。この時期は忙しいですね!毎年ですが。

ようやく学年末考査の採点が昨日で終了しました。今年度の成績もつけ終わり。授業も残すところ数回。

3年生の前期試験も無事終了し、あとは結果を待つばかり・・・。

卒業式

今週末には、卒業式を迎えます。

早いもので、昨年の卒業生を見送ってからもう1年が経つんですね・・・。なんだか年々早く過ぎている気がします。

旅立つ3年生を見るといつも、「この生徒達のためにちゃんと役目を果たせたのだろうか?」と自問してしまいます。

第5回&第6回福島県デジタル教材勉強会に行ってきました。

そんな忙しいさなかですが、先週と先々週の2週にわたり、福島県デジタル教材勉強会」に参加してきました。

www.kokuchpro.com

何をかくそう、私が昨年自費でiPadを購入するに至った一番の原因になったのが、この勉強会でした。

勉強会を主催されている学法石川高校の佐藤先生とは、今年度初めてベネッセさんのClassiユーザー会の懇親会でお話をして、その場で意気投合。

「今度こういうのやるから是非来てね!」とお誘いいただきました。

それ以来、毎回参加させていただいております。

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この勉強会のすごいところは、様々なデジタル教材開発を手がける企業の方と、教員をつなぐ場になっていること。

教材を実際使ってみてその場で企業の方に意見が言えたり、企業の方からいろいろな使い方を教えて頂けるのは本当に貴重です。

また、私立の学校では、生徒一人1台を実行している学校が多く、そこでの使用例や使っているアプリを聞けたりするのもとても参考になりますね。

そして何より、他校に先進的な取り組みをしている同志の先生がいることを知ると、強い励みにもなります。

今回の勉強会は特に「動画教材の作り方」「Zoomを使った遠隔授業の試み」が非常に参考になりました。今後の授業のやり方に大きな変化が出そうです。

そして、まだまだ未熟ながら、「次回の勉強会では是非取り組みを発表させてほしいです!」とお願いをしてしまいました!

我ながら思い切った…。

勤務校の外に研修の場を広げることについて

今年度も、振り返るとたくさんの校外研修に参加してきました。

教員はどうしても校外の人と触れ合う機会が少ないですし、何も変化せずに今まで通りのやり方を踏襲していたところで誰からも文句を言われることはありません。

でもやはり、生徒に「成長しよう」「変わろう」と言い続けているのにも関わらず、自分の成長には甘いというのは少し違うかなと思うんですよね。

来年度も、積極的に様々な研修に出かけて生きたいと思います。

英検2級、一次試験の結果

ボヘミアン・ラプソディを観てから二週間、毎日Radio Ga Gaが頭から離れない私です。

www.youtube.com

カッコいいとはこういうもんですね。

英検一次試験結果

先日受験した、英検2級の一次試験の結果が出ました。

anothersound.hatenablog.com

生徒たちも結果が出たので、放課後に一緒に確認…。

結果は…

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無事合格です。

個人的にはWritingでもう少し取れていると思ったのですが…。残念。

(何度も添削してくださったC先生、ありがとうございました。)

二次試験に向けて面接の準備をしたいと思います。

「何で受けたんですか?」と聞く生徒もいましたが、英語は常に触れていないと忘れてしまうので、勉強し続けるモチベーションがほしかったんですよね。(その生徒にはあまり理解されませんでしたが…)

先日、勤務校のとある先生のお話の中で、

「英語を「教科」と思っているうちは、なかなかできるようにはならないよね」

というようなことが話題になりました。

私たちが日本語を話せるようになったのと同じように、「言語」を習得することを考えなくてはいけない、ということかと思いました。納得するものがあります。